
「本を読んでほしいけれど、なかなか興味を持ってくれない」
「読書が大切だと分かっていても、どう始めればよいか分からない」
このように感じる保護者は少なくありません。
小学生になると学校でも本を読む機会がありますが、家庭で自分から本を手に取る子もいれば、ほとんど読まない子もいます。
読書は知識を増やすだけでなく、さまざまな言葉に触れたり、物語を想像したり、自分とは違う考え方を知ったりするきっかけにもなります。
だからといって、「毎日必ず本を読みなさい」と伝えるだけでは、読書が好きになるとは限りません。
読書習慣は、一度に身につくものではなく、毎日の生活の中で少しずつ育まれていくものです。
読書は「勉強」ではなく「楽しむもの」
本を読むことが苦手な子どもの中には、「読書は勉強の一つ」と感じている場合があります。
感想を書かなければならない、難しい本を読まなければならないという印象が強いと、本を開くこと自体が負担になってしまいます。
しかし、本来の読書は楽しむためのものでもあります。
物語を読んで笑ったり、主人公に共感したり、新しい世界を知ったりすることも読書の魅力です。
そのため、最初から教育的な本だけを選ぶ必要はありません。
動物が好きなら図鑑、乗り物が好きなら乗り物の本、スポーツが好きならスポーツに関する本など、興味のある分野から始めることも十分意味があります。
「読むことが楽しい」と感じられる経験が、読書習慣の第一歩になります。
本を身近な場所に置いてみる
読書を習慣にするためには、本がすぐ手に取れる環境を作ることも大切です。
本棚の奥へしまわれている本よりも、リビングや子どもがよく過ごす場所に置いてある本の方が自然と目に入りやすくなります。
「読もう」と意識しなくても、何気なくページをめくることが読書につながる場合もあります。
また、定期的に置く本を入れ替えることで、新しい本への興味が生まれることもあります。
たくさんの本を用意する必要はありません。
子どもが気軽に手に取れる環境を整えることが大切です。
保護者が本を読む姿を見せる
子どもは、保護者の行動をよく見ています。
「本を読みなさい」と言われるだけではなく、家族が読書を楽しんでいる姿を見ることで、「本を読むことは特別なことではない」と感じやすくなります。
例えば、休日に家族それぞれが好きな本を読む時間を作ったり、読んだ内容について簡単に話したりするだけでも、本が生活の一部になります。
無理に感想を聞き出す必要はありません。
「どんなお話だった?」
「面白い場面はあった?」
といった気軽な会話だけでも十分です。
読む量より続けることを大切にする
読書習慣を身につけたいと考えると、「毎日30分読もう」と目標を立てたくなることがあります。
しかし、本を読むことに慣れていない子どもにとっては、その時間が長く感じられることもあります。
最初は5分でも10分でも構いません。
一ページだけでも読めたら十分です。
毎日少しずつ本に触れる時間を作ることで、「本を読むこと」が生活の一部になっていきます。
長く読むことよりも、「今日も読めた」という経験を積み重ねることが大切です。
図鑑や写真の多い本から始めてもよい
読書というと、小説や物語を思い浮かべることが多いかもしれません。
しかし、すべての子どもが物語から興味を持つわけではありません。
昆虫、恐竜、宇宙、料理、工作、スポーツなど、自分の好きな分野の図鑑や写真が多い本から始める子もいます。
文字が少なくても問題ありません。
「知りたい」「見たい」という気持ちが読書につながることもあります。
子どもの興味に合わせて本を選ぶことは、読書を続けるきっかけにもなります。
読み終えることを目的にしない
一冊の本を最後まで読まなければならないと考えると、途中で飽きたときに負担を感じやすくなります。
途中まで読んで別の日に続きを読んでも構いませんし、「少し難しかったから別の本を読んでみよう」と選び直すことも自然なことです。
大人でも最後まで読まない本があるように、子どもも興味が変わることがあります。
「最後まで読むこと」よりも、「本を開くこと」を大切に考える方が、長く読書を続けやすくなります。
学校以外の場所で本と出会う機会を作る
本との出会いは学校だけではありません。
休日に図書館へ出かけたり、書店をのんびり歩いたりすることも、新しい本との出会いにつながります。
自分で本を選ぶ楽しさを知ることで、「また読んでみたい」という気持ちが生まれることもあります。
必ず本を借りる必要はありません。
「こんな本もあるんだね」と親子で話しながら本を見るだけでも十分です。
本を身近な存在として感じられる時間が、読書習慣づくりにつながります。
まとめ
読書習慣は、一度に身につくものではありません。
本を楽しめる環境を整えたり、興味のある本から始めたりすることで、少しずつ読書への抵抗感は少なくなっていきます。
読む量や冊数を目標にするよりも、「今日は少し読めた」「この本は面白かった」と感じられる経験を積み重ねることが大切です。
家庭で無理なく本に触れる時間を作ることが、子どもの読書習慣を育てるきっかけになるでしょう。


